信頼性の高いストレージソリューション「RAID」
ハードディスク(HDD)を複数台組み合わせることで仮想的な1台のHDDとして利用する技術が「RAID(レイド)」です。近年、デジタルデータの重要性が高まり、故障時において、いかにデータの消失を防ぐか、様々なストレージソリューションが検討されてきましたが、RAIDはその高い汎用性で一般の個人ユーザにも用いられるようになりました。
よく使われるRAIDは4種類
現在RAIDには「RAID 0」〜「RAID 6」までの7レベルがありますが、実際によく用いられるのは次の4種類です。レベル数値の高さとグレードは正比例するものではないので、サーバ負荷の度合い、設置環境の目的や予算など、様々な観点から考慮して選ぶことが重要です。
RAID 0 データの読み書きの速さに自信あり
複数台のHDDに、データを分散して読み書きするので(これを「ストライピング」と呼びます)、高速なうえ、すべての容量が100%利用可能。耐故障性がないため厳密にはRAIDには含まれないのですが、他のRAIDと組み合わせることで能力を発揮します。
RAID 1 信頼性抜群だが増えるごとにコストオーバー
複数のHDDに同一のデータを書き込むシンプルなミラーリング方式で、信頼性は抜群です。ただ、容量が増えれば、その分HDDが必要となるため、経済的ではありません。その場合は下記のRAID 5をお勧めします。
RAID 5 読み出しが速く、HDD1台破損でも復元可能
もっとも一般的なレベルで、複数のHDD(最低3ドライブ以上)に、本来のデータと誤り訂正符号データ(パリティ)を分散して記録する方式。HDDが分散しているので読み出しは高速。書き込みの際にはパリティを生成する必要があるので多少時間が掛かります。最大のメリットはHDDが1台壊れても復元可能なことです。
RAID 6 コスト高だがHDD2台まで破損しても復元可
RAID 5の発展型で、現在主流となりつつあります。複数のHDD(最低4ドライブ以上)に、本来のデータと2つの誤り訂正符号データ(パリティ)を分散して記録する方式。読み出しは高速ですが、書き込みはRAID 5よりさらに遅めです。デメリットは初期投資の高さですが、HDDが2台壊れても復元可能というメリットがあります。
RAIDの組み合わせで、それぞれのデメリットを補うのがポイント
このようにRAIDはレベルによってメリット、デメリットがありますが、上手に組み合わせることにより、性能や機能を補うことができます。構築する際には、どのようなレベルが最適か、ニーズや予算も含め、専門家に相談するのがベストです。