ACTIVITY REPORT

活動レポート

次世代教育 2026年3月11日

産学協働が生む“実践力” ― 長期フィールドワークで見えた学生の成長 ―


当社では、次世代人財の育成を目的に、広島大学情報科学部と連携した「長期フィールドワーク」に今年度から参画しています。今回ご紹介するのは、2025年10月から長期フィールドワークへ参加した、広島大学情報科学部3年生・享保さんの体験です。
約4カ月間、社員と同じ職場・勤務形態で業務に取り組んだ享保さん。本記事では、学生の視点から見た実務のリアルや、現場で得た学びについて紹介します。

 

4カ月間、実務に向き合う―長期フィールドワークという選択―

「長期フィールドワーク」は、広島大学が実施する産学協働の企業派遣型プログラムで、授業の一環として学生が長期・有償で実務に参加する制度です。大学での学びと企業での経験を組み合わせ、実践的なスキル習得を目指します。

享保さん長期フィールドワークは短期間の就活向けインターンとは異なり、社員の方々と同じように実務に携われる点に魅力を感じて参加を決めました。将来は広島で開発や情報技術に関わる仕事がしたいと考えていたため、「どんな業務に携われるか」「職場の雰囲気はどうか」を重視し、エネコムを選択しました。
参加前は、幅広い年齢層の社員の方と上手くコミュニケーションが取れるか不安もありました。しかし、社内の雰囲気がとても良く、皆さんが気さくに声をかけてくださり、すぐに馴染むことができました。同じ大学出身の先輩もいて、若手の方々とも自然に交流が広がり、一緒に昼食をとったり、社内の同好会にも参加したりしました。

 

実務を通して感じたギャップ―大学での学びと、実務の違い―

受け入れを担当した社内DX推進部 社内システム第2チームは、社内DXの推進やIT基盤の構築・管理、社内システム開発を担う部署です。通信事業向け顧客管理システムの開発・運用も担当しており、多様な関係者と連携しながら業務を進めることが求められます。
享保さんは、ノーコードツールを活用した業務改善に取り組み、これまでExcelなどで管理していた業務フローを見直し、現場で使いやすい形へと整理しました。また、新システムの立ち上げにあたっては、業務内容や課題を整理する上流工程にも関わり、画面構成や使い勝手を考える段階から業務に参加しました。

享保さん:学生だから簡単な作業、ということはなく、実際に現場で使われることを前提とした業務に携わらせてもらいました。構造の複雑さや機能同士の連動を意識しながら進める必要があり、最初は全体像をつかむことに苦労しました。また、大学では自分のペースで進められますが、業務では上長の確認や承認が必要になるため、自然と優先順位を考えて動く習慣がつきました。さらに、「聞かなかったこと」「言わなかったこと」によって認識のズレが生まれる場面もあり、業務を進めるうえでコミュニケーションの大切さを強く実感しました。

 

目的を持った学びが、成長につながる

享保さん:期間が限られているため、十分な研修を受けてから業務に入るわけではなく、インプットとアウトプットを同時に進める必要がありました。正直、大変だと感じる場面もありましたが、業務では「これを作るために、この知識が必要」という明確な目的があるため、学びがそのまま実務に結びつく実感がありました。
これまでも新しい技術やツールに触れることはありましたが、目的が曖昧だと知識が断片的になりやすく、身についた感覚を得にくいと気づけたのは大きな収穫です。実務を通じて“目的がある学び”の重要性を実感しました。
この4カ月を振り返ると、技術面だけでなく、仕事の進め方や考え方まで含めて大きく成長できた期間でした。サポートいただいたエネコムの皆さまには感謝しています。
インターン参加を迷っている学生には、ぜひ一歩踏み出してみてほしいです。実際の環境に飛び込むことで、得られる学びは非常に大きいと感じています。

 

マネージャーからのコメント―現場で見た成長―

長期フィールドワークの受け入れは今年度が初めてで、部署としても学生の受け入れ経験がなく、手探りでのスタートだったといいます。しかし、学生に説明するために業務内容を言語化する過程は、既存メンバーにとっても良い刺激となり、業務を見直すきっかけにもなりました。
現場での取り組みを通して、実際に業務に携わった立場から見た享保さんの成長について、富吉マネージャーは次のように振り返ります。

富吉マネージャー:享保さんには、多様なメンバーと協働しながら業務を進める経験を積んでもらうことを重視しました。社員と関わりながら仕事に取り組むことで、コミュニケーションの重要性を実感してもらいたいと考えていました。
また、利用者や管理者など立場によって異なる視点を理解し、「なぜその作業が必要なのか」という背景まで踏まえたうえで、課題の本質に気づく力を身につけてほしいと思い、実際のプロジェクトに参加してもらう形で受け入れを進めました。
享保さんは指示を待つのではなく、自ら考えて行動し、業務の進め方を見直して改善につなげる姿勢が印象的でした。成果物の説明でも、相手の立場に応じて伝え方を工夫できるようになり、仕事に必要な視点や考え方が着実に身についてきたと感じています。

 

今後に向けて

今回の長期フィールドワークを通じて、享保さんが実務の中で着実に成長していく姿は、当社にとっても大きな刺激となりました。今後も地域の大学や教育機関と連携し、若い世代が実践的な学びを得られる機会を広げるとともに、地域の未来を担う人財の育成に取り組んでいきたいと考えています。企業としての経験や環境を提供しながら、地域と共に成長していく仕組みづくりを、これからも進めてまいります。