ACTIVITY REPORT
活動レポート
AIで地域の未来を拓く ― Data&AIセンターの挑戦 ―

2025年12月、当社は経営ビジョン「from Enecom」の実現に向け、新組織「Data&AIセンター」を設置しました。本センターは、需要予測の高度化や生成AI活用の検証を担う全社横断の専門組織であり、その活動は次の三つの柱を軸に展開しています。
■最新技術の研究開発
■市場ニーズに応える迅速なサービス開発
■これらを支えるAI人財の育成
研究から実装、そして人財育成までを一体で進める体制が特徴です。
2025年11月に公表した「人財価値戦略※」で掲げる「既存領域の確実な成長と新規領域への挑戦」の実現に向け、Data&AIセンターは、人財の育成と企業の持続的成長を支える取り組みを進めています。
今回はセンター設置の背景と現在の取り組みについて、高家センター長と今永さんに話を聞きました。
なぜ今、Data&AIセンターなのか
生成AIの進化により、図面解析や高度な判断業務など、これまで人が担ってきた領域にも変化が生まれています。こうした環境変化を受け、エネコムでは専門組織の設立を決断しました。
高家センター長:AIの進化スピードは想像以上です。人がAIを作る時代を経て、AIがAIを作る段階に入りつつあると感じています。ただ、設置の背景には、もう一つの視点があります。それは、地域貢献という観点です。中国地方で「AIを仕事にできる会社」はまだ多くありません。AIを仕事にしたいと思っていても、地元では挑戦できない人もいる。それなら受け皿をつくるべきだと思いました。
社内DXの推進と同時に、地域でAIに関わる選択肢を広げていく。Data&AIセンターは、そうした役割を担う組織として設置されました。
属人的な判断を、再現可能な組織の力に
現在、センターではデータ活用を軸とした取り組みを進めています。蓄積されたデータをもとに、業務の質を高めるための検証と改善を重ねています。
高家センター長:以前は、人の経験や勘に依存していた判断も少なくありませんでした。現在は、過去の資料やデータをAIに学習させることで、より安定した結果につなげています。ただ、目指しているのは人の判断をなくすことではありません。熟練の判断を活かしながら、それを組織として再現性の高い形にしていきたいと考えています。
個人の中にある知見を、組織の競争力へ。それが、Data&AIセンターが目指している取り組みです。
現場で向き合う検証の積み重ね
その一端を担っているのが、今永さんです。お客さまの業務データや利用傾向をもとに、機械学習を用いた需要予測モデルの精度向上や業務判断の高度化に向けた検証を重ねています。
条件を変え、結果を見比べ、仮説を立て直す。すぐに答えが出るわけではありませんが、例えば予測誤差がわずかでも改善すれば、在庫管理や設備運用の効率化につながります。一つひとつの積み重ねが、お客さまの意思決定を支える力につながっていきます。

今永さん:どのデータを取り込めば予測精度が高まるのか、試行錯誤の連続です。最初から正解があるわけではなく、過去の利用実績や季節要因、外部データなどを組み合わせながら、日々検証を重ねています。数字として変化が見えたときは、自分たちの取り組みがお客さまの役に立っていると実感できます。
一方で、技術だけでは完結しない難しさもあります。現場の方が長年の経験で培ってきた感覚を、データに落とし込む作業は簡単ではありません。ただ、その感覚の中にこそヒントがあります。どう引き出し、どう形にしていくかを、現場との対話を重ねながら考えることに、この仕事の面白さがあります。
プロフェッショナルであり続ける
センター運営において、高家センター長が繰り返し伝えているのは「プロフェッショナル」という言葉です。
目の前のニーズに応え続けるためには、「自己研鑽する姿勢」、つまり「学びを止めないこと」が大切だと話します。同時に、AIは一人で完結するものではありません。異なる視点や専門性が重なり合ってこそ、はじめて形になる。そのためにも、互いに学び合えるチームでありたいと考えています。
高家センター長:AIは、いろんなアイデアを持った人、いろんな考え方を持った人の知識を取り入れることで発展していくものです。今所属するメンバーもIT専攻出身者ばかりではありません。学生時代に建築や生物を勉強していたというメンバーもいます。お互いの知識や経験を共有し合うことで、より広がりが生まれると感じています。

地域企業と共に
今後は、大学との連携を深めながら、地域でAI人財を育てる取り組みを進めていきます。さらに、地域企業とも連携し、現場の課題に即したデータ活用・AI活用を広げていく構想もあります。
高家センター長:AIの活用が広がる時代ですが、私たちが大切にしているのは人と人とのつながりです。地域に根ざしながら、実践を重ねていきたいと考えています。やってみたいけど、何から始めればいいかわからない。そんな企業の最初の一歩を、一緒に踏み出せる存在でありたいですね。
Data&AIセンターは、地域とAIをつなぐ「きっかけ」になることを目指し、今後もAI人財の育成と、実践的なデジタル変革の推進に向けて、研究を重ねながら、地域と共に歩みを進めていきます。

※人財価値戦略については、以下をご参照ください。
人財価値戦略の策定について | 株式会社エネコム